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FM-N1ヘッドライン

白門、赤門、黒門と侠気

 先日の番組「キャンパス・アメニティ」に金沢工業大学の石川憲一学長が出演されていました。以前、石川学長がFM-N1の番組審議会の委員をされていたころ、少しお話を聴く機会があり、日本刀を愛するお心があることから「古武士のような風格」と形容差し上げたことなど、懐かしく思い出していました。

 趣味のことや静岡県の出身であることは承知していましたが、迂闊にも、母校が金沢大学とは知りませんでした。トークの合間に、金沢大の前身である旧第四高等学校の寮歌「北の都」も流れました。また、各種競技で対抗試合を行っていた三高(現京都大学)の寮歌「人を恋うる歌」も放送されました。

 金沢大学といえば、学長の名前と同様の石川門が有名です。鉛瓦を載せた白壁の姿から白門(しろもん)とも呼ばれていました。

 白門と言えば、中央大学の代名詞にもなっていますが、こちらは「はくもん」と呼ぶのだそうです。法学部が有名であり、「真実」「潔白」など法律の持つイメージが由縁だそうです。

 「しろもん」は、金沢城を居城としていた百万石大名の前田家が江戸での上屋敷にしていた朱塗りの門が、現在の東京大学本郷キャンパスに「赤門」として残ることから、それと対比して名付けられたのでしょうか? 加賀藩つながりなのですが、金沢と東京の両大学の力量は比較されるに相応しいかどうか、私には判断がつきません。

 そういえば、年末の野々市市誕生記念特番「大乗寺を歩く」の中で、パーソナリティーを務めた坂東茂君が、大乗寺の山門について、黒塗りであることから「こくもん」と自信満々にリポートしていました。試聴の段階で気になったので尋ねました。本人は黒門を普通に読めば「こくもん」だ、と言うのです。倍近く生きている私の感覚では、普通なら「くろもん」です。年代によっては普通の感覚でも違いがあることに、少なからず驚かされました。

 後日、「くろもん」が正しいと知らされ、番組は録り直しをしましたが、固有名詞の怖さを再認識しました。事前に一声掛けてよかった、と胸を撫で下ろしました。

 話は「キャンパス・アメニティ」に戻りますが、三高寮歌「人を恋うる歌」のことです。作詞は与謝野鉄幹であり、CDの歌唱は故人ですが、今も高名な俳優兼歌手の方でした。

 歌詞の二番目に「妻をめとらば才たけて みめ美わしく情ある 友を選ばば書を読みて 六分の侠気四分の熱」とありますが、問題は「六分」の読み方です。私は「りくぶ」と覚えていましたが、歌の中では「ろくぶ」と歌っているのです。

 時代によって読み方が変わることもあるのかも知れませんが、違和感を覚えました。ディレクターの方は、相手が高名な歌手であることから、確認を躊躇したのでしょうか? それとも堂々とした歌唱ぶりから「ろくぶ」が正しく、「りくぶ」の方が間違いだと錯覚したのでしょうか? 「りくぶ」が正しいとするなら、確認のために、もう後少しばかりの侠気を発揮する場面だったような気がします。

 

 

Permalink | 2012年1月10日 15:15 | 宮崎正倫