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素人と玄人の真ん中で~考古学へのいざない~

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 「石川県野々市町にある末松廃寺の名が朱仏寺である可能性が高い」と、FM-N1取材班が「のっティ新聞6月号」で報じて3週間が過ぎました。その後、地元紙が後追いで書いて、石川県内にも周知が広がったようです。N1取材班が、朱仏寺や古代の地方豪族・道君(みちのきみ)を追いかけて3年がたとうとしています。ラジオ番組「末松の大寺に飛鳥の風吹く~守り神に語った1340年の秘密~」を制作するためです(ウェブで聴けます)。
 取材班の班長・M先輩は、古代史に造詣が深く、かねてから朱仏寺をはじめとした古代の加賀について調べ、疑問点を整理していました。片や、番組を作ろうと言われた私は、それまで大の歴史嫌いでした。しかし、「業務命令」なので、まず、放送大学に1年通い、考古学と日本の古代を学びました。日本書紀や続日本紀などの文献も読み漁りました。その道の大家と言われる専門家にも取材しました。全くのド素人でしたけれども、何とか専門家に対して的をはずさない質問ができるようにもなりました。
 精進の結果、専門知識は、素人以上、玄人以下になり、「俄か考古学者」とも自称しています。
 

 メディアの仕事をしていて心がけているのは、難しい専門的な話だからこそ素人(たとえば中学生程度の知識の人)に分かりやすい表記、表現に努めることです。これが案外、労力を要します。専門書を読んで、それを分かりやすいように表記する作業は、まるで昔、受験勉強でいそしんだ英文和訳のようで、苦しくもあり、充実した時間でもありました。
 「そんなことも知らないの?」。取材した専門家からズバリ言われたり、少しでもそんな顔つきをされると、負けず嫌いの性格に火がつき、また、図書館に通って専門書を読み漁って知識を仕入れました。テーマが専門的になればなるほど、こちらも知力と体力をかけての闘いになります。いや、取材で「そんなことも知らないの?」と言われたり、表情をされた時点で、取材者として失格だと思いますが。
 メディアmediaのmedの語源は、「真ん中」「間に挟まった」の意味です。文字通り、玄人、専門家と素人との真ん中にあって、両者の交流をはかることに使命と存在意義があります。野々市町の古代に存在した朱仏寺の解明は、今、始まったばかりです。町で唯一のメディアであるFM-N1の使命もまた大きく、お手伝いをしたいと思っています。
 そして、先輩M氏とは、折に触れて、考古学談義をする今日この頃です。もちろん、「俄か」の接頭語は、少なくとも私は今も取れていませんが。
(梅岡和也)
※写真は「朱仏寺」と記された墨書土器。昭和42年に末松廃寺から発掘されていた須恵器裏の文字を、最近、国立歴史民俗博物館の平川南館長が解読しました。「朱」や「仏」の文字がうっすらと浮かび上がっています。

Permalink | 2008年6月19日 12:21 | 梅岡和也
末松廃寺の所在地
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末松の大寺
末松廃寺の塔心礎


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出土した和同開珎の銀銭


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単弁六葉蓮華紋の軒丸瓦


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塔心礎遠景


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