PMCで見つけた〈12〉ジ・エイムス・ブラザーズの「プッシー・キャット」
2018年11月6日
寄贈されたレコードを初めて3回クリーニングした
私達が放送で使用する大部分の楽曲は、PMC所蔵のレコードを利用させてもらっている。24万5千枚を所蔵しているとはいえ、欲しい曲が全て揃う訳ではありません。今回紹介するジ・エイムス・ブラザーズの「プッシー・キャット」は初めて寄贈された楽曲でした。PMCの職員が前々から探していた1枚だそうです。
送られてきたEP盤を整理していて、偶然に見つけたそうです。ジ・エイムス・ブラザーズは1948年に、アメリカのマサチューセッツ州で結成された男性4人のコーラス・グループです。PMCには同グループのレコードは1枚もありませんでした。FM-N1の音楽サーバーには、多分CDから落としたと思われる4曲がありましたが、同曲はありませんでした。
しかし、よくも見つけ出したものだ、と感心します。他の職員の手に掛かっていたら素通りしたに違いありません。寄贈されたレコードは分類の後、コードを振られて登録に回されて行きますが順番待ちをしている盤が多く、「プッシー・キャット」が一般に公開されるのは数年後になる可能性もあるとか。
もともと、ポピュラー・ミュージックは消耗品の性格があり、寄贈されたものの保存状態が万全と言えないものもあります。好きな曲を聴きこんだ跡があるからです。今度のレコードも埃をかぶっていたそうですが、裏を返せば、愛着が深い分だけ手放せなかった、とも言えます。見つけ出した職員は、専用のクリーニング器などで3回磨いたそうです。音を聞かせてもらいましたが、新品と遜色ないメロディーが流れてきました。
◇KIT・PMCとは:金沢工業大学がライブラリー・センターに設置しているレコード・ライブラリー「ポピュラー・ミュージック・コレクション」の頭文字をとった略称。全て寄贈されたレコードで構成され、24万5千枚を所蔵している。