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PMCで見つけた〈25〉ディー・ディー・シャープの「マッシュ・ポテト・タイム」

2018年12月21日

あぁ、ややこしい、踊り方と料理の名前

 

ディー・ディー・シャープは1945年、アメリカのフィラデルフィア生まれの女性歌手で、16歳の時に「マッシュ・ポテト・タイム(原題:It’s Mashed Potato Time)」をヒットさせている。実はこのマッシュ・ポテトが曲者で、初めて聴いた頃は何が何だかよくわからなかった。聴いたのはコニー・フランシスの「ヴァケーション」をカヴァーした弘田三枝子の日本語の歌だった。

 

「マッシュ・ポテトをみずべで あの人と踊ろう」と言われても、何故ポテトサラダが水辺に出て来るんだ、という感じだった。命名の由来は、踊りの振りがジャガイモを潰す動きに似ていたからで、ツイストとは少し違っていたらしいが、何しろ当時はツイスト全盛期。ヒット・ソングはダンス・ビートから生まれる時代だったので、踊りの方はツイストの亜流にされてしまった。そんな事情を知ったのは、かなり後になってからである。あぁ、ややこしい。

 

踊りの名前で誤解していたものに「ロコ・モーション」もある。こちらは蒸気機関車の動輪が回るような仕草から来ている。全く分からなかったものがもう一つ。ジャズのスタンダード・ナンバー「ビギン・ザ・ビギン」である。始まりの始まり、ではなく原題が「Begin The Beguine」でビギン違い。Beguineは西インド諸島で生まれたダンス音楽で、ビギンの踊りを始めよう、である。あぁ、ややこしい。

 

ディー・ディー・シャープの名前を知ったのはFM-N1の音楽ファイルの中に1曲だけ「マッシュ・ポテト・タイム」があったのを見つけ、これは食べ物の方か、踊りの方か好奇心が湧いたからである。PMCで検索するとアルバムが2枚だけあった。そして「マッシュ・ポテト・タイム」を聴くと、また似ているのである。何に? ザ・マーベレッツの大ヒット曲「プリーズ・ミスター・ポストマン」である。あぁ、ややこしい。(宮崎正倫)

 

 ◇KITPMCとは:金沢工業大学がライブラリー・センターに設置しているレコード・ライブラリー「ポピュラー・ミュージック・コレクション」の頭文字をとった略称。全て寄贈されたレコードで構成され、245千枚を所蔵している。