PMCで見つけた〈26〉ザ・シャンティーズ、ザ・サーファリーズの「エレキ・ギター・ヒッツ」
2018年12月25日
ザ・ベンチャーズがカバーしたオリジナルはこちら
これぞ青春の一ページ、といった匂いを振りまくようなアルバムをPMCで見つけた。「エレキ・ギター・ヒッツ」というタイトル名が、たちまちの内に、遠く過ぎ去った時代を蘇らせてくれる。演奏しているのはA面がザ・シャンティーズと、B面がザ・サーファリーズの2組である。いずれも、アメリカのカリフォルニア州出身で、5人編成のサーフ・ロック・バンドである。
ザ・シャンティーズは、あの「テケテケテケ」という擬音語で有名な「パイプライン」など7曲。ザ・サーファリーズは、波乗り中にサーフ・ボードから落ちた、という意味からとったグループ名だが、「ワイプ・アウト」など7曲を収録している。と、ここまで言うと「何だ、ザ・ベェンチャーズのコピー・バンドか」といった声が返って来そうだが実は、こちらの方がオリジナル曲なのである。
つまり、ベンチャーズの方がコピーをした、ということなのだ。しかし、聴き比べてみると音楽的な完成度からみると「月とスッポン」。ベンチャーズの演奏力、アレンジ力の高さを思い知らされる結果となるだけで、ヒットさせたのもうなずける。オリジナル曲は素人っぽく聴こえるため、アルバム名の「エレキ・ギター・ヒッツ」の通りにヒットしたかどうかは定かではない。
反対に、日本のグループ・サウンド時代、猫も杓子もエレキを抱えていた人達からすれば一安心できる効用があるのかもしれない。年末ということもあり、我が家の整理をしていたところ、高校時代のクラスメートの写真が出てきた。この中に文化祭で、ザ・ビートルズのコピー・バンドを結成して演奏していた友達がいたはずだ。ドラマーはこれ、ヴォーカルはこれ、ギターはこちら。さて、後一人は誰だったかなぁ~。(宮崎正倫)
◇KIT・PMCとは:金沢工業大学がライブラリー・センターに設置しているレコード・ライブラリー「ポピュラー・ミュージック・コレクション」の頭文字をとった略称。全て寄贈されたレコードで構成され、24万5千枚を所蔵している。