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PMCで見つけた〈29〉ザ・デイヴ・クラーク・ファイブの「グラッド・オール・オーバー」

2019年1月15日

昔のブリティッシュ・ロックが聴けてラッキー!

 

私の少年時代、ラジオで聞いていたヒット・チャートはアメリカのチャートだったはずだが、ザ・ビートルズ、ザ・ハーマンズ・ハーミッツなどをはじめとしたイギリスのロックバンドが多かった。当時は不思議にも思わなかったが、それがブリティッシュ・インヴェイジョン(イギリスの侵略)と呼ばれる動きで、アメリカの音楽業界を席巻していた現象だった。

 

その中にザ・デイヴ・クラーク・ファイブもいた。何でもかんでも「リヴァプール・サウンズ」だと思い込んでいたが、彼らは出身地のロンドン下町の名前から「トトゥナム・サウンズ」と呼ばれていたことを、PMCから借りてきたアルバム「デイヴ・クラーク・ファイブ」のライナー・ノーツで初めて知った。

 

彼らの代表曲である「ビコーズ」ぐらいしか確かな記憶がなかったが、アルバムの良いところは、当時あまり注目されなかった楽曲も聞けるところにある。1曲目の「グラッド・オール・オーバー(原題:Glad All Over Again)」もそうで、これも大ヒット曲だと知った。ドラムとギターの特徴的な編成だがシャウトするような歌い方がリズムに乗り、いかにも1960年代半ばのイギリス、という雰囲気十分である。

 

原題では曲名の最後に「Again」が付いているところから「やり直せてラッキー!」と軽く訳せばよいのだろうか。アメリカのトランプ大統領の場合は同じAgainでも「Make America Great Again」だから、「軽く」という訳にはいかないのだろうが、これまで社会の光が当たっていなかった支持者の方は案外と「Glad All Over Again」と軽いノリで、「光が当たってラッキー!」と思っているのかもしれない。(宮崎正倫)

 

KITPMCとは:金沢工業大学がライブラリー・センターに設置しているレコード・ライブラリー「ポピュラー・ミュージック・コレクション」の頭文字をとった略称。全て寄贈されたレコードで構成され、245千枚を所蔵している。