PMCで見つけた〈3〉ザ・ロネッツの「恋の雨音」
2018年10月6日
雷鳴が告げる理想の恋人の出現
ザ・ロネッツと言えば、返ってくる答えは「ビー・マイ・ベイビー」というのが通り相場である。彼女らの最大のヒット曲であるから当然の事である。FM-N1の番組に「ブロークン・タイムマイン」という長寿番組がある。平成10年(1998)4月が放送開始なので20年と6カ月が経ちました。オールディーズのリクエスト番組が基本姿勢なので、金沢工大のPMC(ポピュラー・ミュージック・コレクション)が頼みの綱でした。
同番組のリクエスト数でみれば、10月7日現在で、「ビー・マイ・ベイビー」が最多の31回を数えます。ちなみに第2は、パーソナリティのロイ・キヨタさんがお気に入りのプロコル・ハルムの「青い影」が28回となっています。リクエスターの皆さんの忖度(そんたく)もあるのかもしれません。したがって、FM-N1のザ・ロネッツの音楽ファイルには「ビー・マイ・ベイビー」しかないという状態が続いていました。
そこで、PMCのデータ・ベースを検索すると、シングル、アルバム、オムニバス盤合わせて21枚のレコードがありました。盤は違っても同じ曲がダブっているため、そう多いという訳ではありません。その中に「恋の雨音(原題・Walkin' In The Rain)」がありました。韻を踏んでいますが、オールディーズにありがちな邦題の付け方の様にも思えます。ザ・ウォーカー・ブラザーズもカバーしています。
曲の出だしが、あのザ・カスケーズの「悲しき雨音」に負けず劣らず、雷鳴からです。歌の内容は、私には、男の子の理想像があるけれど現実には、まだ彼氏がいない。雨の中を歩けば濡れるように、いつか自然と彼に巡り合えるはず。出逢いを星に祈ろう、というものらしい(英語が不得手で断定できない)。雷鳴と言えば、激しく大地を揺るがすような金沢の冬空を想像してしまうが、そうか、「恋の雨音」は甘い胸の疼きの響きだったのか。(宮崎正倫)