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PMCで見つけた〈36〉ハンク・スノウの「RAIL ROAD MAN」

2019年2月8日

2分弱の曲に栄枯盛衰を感じさせる「パン・アメリカン」

 

カナダ生まれのカントリー歌手、ハンク・スノウのアルバム「RAIL ROAD MAN」をPMCで見つけた。タイトルそのものが鉄道員なのだが、収録されている12曲全てが列車関係の歌です。今で言う“鉄道ヲタク”なのです。乗り鉄、撮り鉄などいろいろな形態があるということですが、彼の場合は“ウタ鉄”といったところだろう。そう言えば、1950年に初の大ヒットとなった曲が「ムーヴィン・オン(原題:I’m Moving On)」で、列車に乗ってやってくる内容だった。

 

12曲の中にはグレン・ミラー楽団のスタンダードである「チャタヌガ・チュー・チュー」も当然のように含まれている。チャタヌガとはテネシー州南東部の都市で、チュー・チューとは幼児語で汽車ポッポを意味する。1880年、北部のオハイオ州シンシナティからチャタヌガまで運行を始めた「シンシナティ・サザン鉄道」の旅客列車の愛称を曲名にしたものです。

 

初めて聴く曲で、気になるものもありました。「パン・アメリカン」です。こちらの方はシンシナティから、メキシコ湾に面したルイジアナ州ニューオリンズまでの路線で、当時の特急弾丸列車が運行されていました。150秒余りの曲ですが、通過駅のあるルイビル(ケンタッキー州)、ナッシュビル(テネシー州)、モンゴメリー(アラバマ州)を経てニューオリンズに到着します。ギターの弾き出しは、軽くてテンポよく、快適な鉄道の旅を予感させます。

 

ところで、ニューオリンズと五大湖周辺を結ぶ交通網と言えば昔は、ミシシッピー川を行き交う外輪船で、水上交通でした。それが陸上の大量輸送時代を迎えて「パン・アメリカン」鉄道路線に移って行ったのでしょう。まさにパンアメリカン(汎米)が新時代を象徴していたのです。そして、航空機を運行するパン・アメリカン航空が登場するのです。1927年に設立された同社も1991年に、経営悪化によって消滅しました。栄枯盛衰を感じさせる曲なのかもしれません。(宮崎正倫)

 

KITPMCとは:金沢工業大学がライブラリー・センターに設置しているレコード・ライブラリー「ポピュラー・ミュージック・コレクション」の頭文字をとった略称。全て寄贈されたレコードで構成され、245千枚を所蔵している。