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PMCで見つけた〈47〉ザ・クローヴァーズの「ノニ・コシ」

2019年3月19日

不完全なイタリア語で歌うのはドゥ・ワップ? カンツォーネ?

 

ザ・クローヴァーズといえば1950年代を中心に活躍したアメリカのドゥ・ワップのグループで、世界のアーチストによってカバーされた「ラヴ・ポーション(Love PotionNo.9」のオリジナルを歌ったことでも知られています。PMCのデータを検索するとザ・クローヴァーズは11件ヒットするのですが、「ノニ・コシ」は1件しか該当曲がありませんでした。それはアルバム「ラヴ・ポーションNo.9」の中に収められていました。

 

ともかく、1曲目から順番に聞き流していましたが、12曲中の11曲目に「ノニ・コシ」がありました。男性コーラスが心地よいドゥ・ワップが続く中、突然にカンツォーネ風の曲調に変わりました。「ノニ・コシ」という英語にも思い当たりませんし、イタリア語のようにも聴こえます。当時のカンツォーネ・ブームもあって挿し込んだのかな、と一人合点をしました。

 

ともかく、ライナー・ノーツを見てみることに。当然、曲名はありましたが、なんと歌詞がないのです。代わりに「不完全なイタリア語で歌詞掲載は省略しました」と注釈がされています。つまり、イタリア語もどきで、語感はイタリア語であるが意味を成していない、ということなのだろうと推測しました。146秒の短い曲ですが、無性に惹き込まれるのです。

 

そう言えば昔、タレントのタモリが四カ国語麻雀という芸を披露していました。例えば中国、韓国、英語、フランス、ドイツなど四人がそれぞれの言語を話しながら麻雀をする、という設定でした。もちろん語感がそれらしく聞こえるだけで意味は全く通じません。そう言えば、日本人がカタカナ英語を話すのと同じなのかもしれません。英語圏の人達には通じないからです。これが芸の域まで達するのならどこかで使い道があるのかも知れませんが… え? やっぱり駄目ですか。残念。(宮崎正倫)

 

KITPMCとは:金沢工業大学がライブラリー・センターに設置しているレコード・ライブラリー「ポピュラー・ミュージック・コレクション」の頭文字をとった略称。全て寄贈されたレコードで構成され、245千枚を所蔵している。